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◯作品データ 公開日:1961年4月4日(東宝) 同時上映:特急にっぽん(川島雄三) 尺数:7巻2735米(東宝スコープ・イーストマンカラー) スタッフ 監督:堀川弘通/製作:藤本真澄+菅英久/原作:田宮虎彦『愛情について(別れて生きる時も)』/脚色:松山善三+井手俊郎+堀川弘通/撮影:中井朝一/美術:中古智/録音:伴利也+宮崎正信/照明:隠田紀一/編集:岩下広一/音楽:芥川也寸志 キャスト 井波謙吾(高島忠夫)同美智(司葉子)同麻子(板屋幸江)美智の少女時代(一木双葉)石山順吉(児玉清)朴泰泳(小林桂樹)小野木淳(芥川比呂志)美智の父(河津清三郎)美智の母(田中絹代)桶屋の主人(沢村いき雄)同 おかみさん(賀原夏子)豆腐屋の親父(田武謙三)同 おかみさん(菅井きん)青年将校(小池朝雄)野村ひさ枝(細川ちか子)チョビ髯[特高刑事](松村達雄)警察の主任(加藤武)マネキンガール よっちん(宮田芳子)同 ベアちやん(市原悦子)同 A(藤戸木綿子)キャメラマン(石田茂樹)広告社の主任(佐田豊)木賃宿の男(田中邦衛)同 女(水の也清美)別の男(荒木保夫)南北社の男A(関田裕)同 B(鈴木和夫)同 C(細川隆一)同 女(峯丘ひろみ)事務所の男(南道郎)弁護士(松本染升)鳥打帽の男(西村晃)下士官(古田俊彦)地下鉄の駅員(加藤茂雄)ヤミ市の髯の男(鈴木治夫) ※日本映画紹介(キネマ旬報1961年4月上旬号)を参考にした ◯封切成績 キネマ旬報1961年5月上旬号「映画館」より(下線部原文ママ) (略)”歌謡映画”記録的ヒット キネマ旬報1961年5月下旬号「映画館」より 小林、宍戸で日活稼ぐ ◯シナリオ キネマ旬報1957年4月下旬号 ※脚本クレジットは「松山善三」単独名義。その他「松竹大船作品」「企画 小梶正治」「監督 小林正樹」と記されている。 ※松山善三「決定稿の出来ない脚本」を併載。 ◯同時代批評 日本映画批評 別れて生きるときも(飯田心美・キネマ旬報1961年5月上旬号) 純愛への羞恥―別れて生きるときも(清岡卓行・映画評論1961年5月号) 作品研究 共感をよぶヒロイン 「別れて生きるときも」(木村正・映画芸術1961年6月号) ◯受賞 1961年度NHK映画賞ベストテン第7位(NHK映画委員会) ※1961年キネマ旬報ベストテン(1962年2月上旬号):岩崎昶(5位)小菅春生(6位)江藤文夫・双葉十三郎(7位)草壁久四郎(9位) 1961年度・映画芸術ベスト・ファイブ(1962年3月号):飯島正(1位:ただし第5位まで同じ3点) 1961年度映画評論ベスト・テン(1962年2月号):江藤文夫・虫明亜呂無(3点) ◯井手俊郎の述懐 なし ◯備考 ・原作は「婦人朝日」1953年9月号から1954年7月号に『愛情について』の題名で連載された。当初、単行本でもその題名であったが、後に作者の意向で『別れて生きる時も』に変更されている。 ・キネマ旬報掲載時のシナリオに付記されているように、当初は松竹大船で小林正樹監督によって映画化される予定であった。松山善三は当時、以下のように書いている。 この作品は、私がもっとも尊敬する作家、田宮虎彦氏の「愛情について」からの脚色シナリオです。この作品は、一年ほど前から、小林正樹監督と一緒に映画化したいと望んでおりましたが、意のままになりませんでした。 ・また、小林作品に出演予定であった伊藤雄之助は座談会で以下のような証言を残している。 伊藤 (略)こんど小林組の「愛情について」ですよ。まだ主演がきまらないんですが。 ・結局松竹での製作は頓挫したが、企画は東宝作品として実現することになる。堀川弘通は「自作を語る」(キネマ旬報1961年10月上旬号)で以下のように述懐している。 司葉子くんの主演映画を一本やってみてくれ、そういう会社側の注文です。司君としては、はじめての本格的なドラマティック・ロールといっていいものです。二・ニ六事件がでてきますけれど、僕らの年代の、身をもって戦時中に青春をすごしてきたものには、大へん共感があるんですね。それだけにまた、今のハイ・ティーンなどにはぜんぜん共感のもてない話だということにもなるんですが。その時代を身をもってすごしてきた人がみると、実に共感がもてて、わかってくれるんじゃないかと思います。いわば一人の女の一生をつうじて、そうした一つの時代を描き出したかった。それがこの作品のテーマといっていいものです。最初のシナリオを松山善三さんが書き、それに井手俊郎さんが手を入れて直しました。僕はシナリオの段階でトコトンまでやりあって納得したところで撮影にかかることにしていますが、この作品の場合もそうでした。製作期間は四十数日間位でした。時代の感じを再現するために、時代考証はずいぶん念入りにやりました。これが時代劇になると、実際にその頃生きていた人なんかいないわけだから、どうしても解らぬところがでてきてもしかたがない。しかし、これはその時代を経験した人が、現在世の中にいくらもいるわけですから、大へんでした。いいかげんなことをやると、すぐわかってしまう。それから、これは撮り終ってから考えたんですけれど、戦争なんてものは、もう今のハイ・ティーンにとっては意識のそとにあるものなんですね。彼ら自身は、その戦争というものの産物ではあるんだけれども。――が、僕としてこの存在は、ぜひ一度はやらなければならぬものでした。これは、そういう意味をもった仕事でした。 二・二六事件についての言及があるが、原作には同事件は登場しない。一方、キネマ旬報掲載のシナリオには事件が以下のように顔を出す(S#89)。 美智と謙吾が、捻坐したマネキンガールの足に湿布してやっている。 完成作品はシナリオと大きく異なり、美智と謙吾は東京の地下鉄の中で二・ニ六事件に遭遇し、反乱部隊によって封鎖された駅構内に足止めにされる。そして、その緊迫した状況下で謙吾は美智に求婚するのである。ちなみに、井手はこの作品に先駆けて今井正『由起子』(1955年)でも二・二六事件を取り上げているが、そこで主人公は赤坂山王下付近で事件に遭遇し、戦闘に巻き込まれるかもしれないという不安の中でかつての思い人にあてて愛を告白する手紙を出している。 ・司葉子はアンケート「わが女優生活に関する5項目」(キネマ旬報1962年7月上旬号)の「いままで出演した映画の中で最も気に入った役」という質問に対して、「秋日和」のアヤ子とともに井波美智を挙げている。 ・田中邦衛はこの作品での出演をきっかけに『若大将』シリーズに起用されることになった。 「仇役には、何と言ったかな、あのうす気味悪い役者をつかいたいんだが‥‥‥」。 ◯参考資料 俳優放談 ことしはぼくらの当り年(映画芸術1957年3月号) ※出席者:伊藤雄之助・加東大介・小林桂樹・三国連太郎・大橋恭彦(司会) 別れて生きるときも(キネマ旬報1961年3月上旬号) 田宮虎彦原作より「別れて生きるときも」映画化の堀川組(キネマ旬報1961年4月上旬号) 別れて生きるときも(映画ストーリー1961年4月号) 別れて生きるときも(明星1961年4月号) 別れて生きるときも(平凡1961年5月号) 別れて生きるときも(社会人1961年5月号) 話題と評判の映画はこれだ! 大黒東洋士先生を囲む座談会(平凡1961年6月号) メロドラマは復活するか?(虫明亜呂無・映画評論1961年5月号) 新・監督研究《2》堀川弘通(キネマ旬報1961年10月上旬号) ※特集記事。江藤文夫「堀川弘通論」、白井佳夫「堀川弘通小伝」、堀川弘通「自作を語る」。 今日のヒーロー・その人間像(シナリオ1961年10月号) ※「特集/現代映画のヒーロー」の一篇。出席者:江藤文夫・寺山修司・関根弘・小林勝・羽仁進・夏堀正元。 1961年封切日本映画一覧表(キネマ旬報1962年2月上旬号) 人間の描き方 「猫と鰹節」と堀川弘通(小川徹・映画評論1962年2月号) 映画年鑑1962年(時事通信社) プロデューサー人生・藤本真澄 映画に賭ける(尾崎秀樹編・東宝出版事業室・1981年12月1日発行)
by vince_et_marcel
| 2017-03-02 05:17
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